平成27年度第一回子ども子育て会議が7/28に開催されました。今年度第一回ではありますが、約2年務めてきた現委員メンバーではこれが最後の会議となります。第二回以降は新メンバーで、3人の公募委員も現在選考中の新しい委員となります。今回の会議のレポートと、これまでの2年間の振り返りを書きたいと思います。
いつものように会議は18:30開始で、人形町の名店「サンドイッチパーラーまつむら」のサンドイッチが提供されます。他自治体は平日の昼間開催で水も出ないところもあると聞いており、中央区は恵まれてるなーと思います。
本日の議題は今年度の待機児童の状況について。中央区の中でも最も保育園事情が逼迫しているのは実は日本橋地域です。今年は4月に認可保育園が3園新規開園したにもかかわらず、待機児童は昨年から減少したもののゼロにはなっていない状況です。今年9月に1園新規開園(あい保育園水天宮:100円ショップまさしの裏ぐらいのところにできます)、加えて来年4月には浜町2丁目と東日本橋に2園開園予定。かなりアグレッシブに保育園整備を進めているおりこれで子育て世代の人口増加について行きたいところですが、今後どうなるかはフタを開けてみないとわかりません。事業計画は作って終わりではなく適宜見直していくと子育て支援課長さんも言っていたので、待機児童の推移は次回以降の会議でも引き続きモニターしていくことになるでしょう。
中央区では今年度から「期間限定型保育事業」を開始しています(説明はこちら)。新設の保育園では高年齢クラスに空きが生じるので、5歳児クラスの空きスペースを活用して待機児童が多くなっている1歳児を受け入れる仕組みです。定員の垣根を超えて柔軟にやりくりする制度で評価できる試みだと思います。今年4月時点では16名の1歳児を受け入れています。来年度以降も1歳児は待機が発生すると予想されるため、この仕組みもフレキシブルに活用していくとのことです。
それでは、2年間の公募委員のお役目を終えて、会議を振り返ってみたいと思います。
まずは、心残りな(やり残した)ことから。大きく2点あります。
- やり残したこと1「幼稚園の預かり保育の拡大(対象園の拡大、時間の延長)」
今回の会議資料でも明らかになったのですが、3歳児以降の保育園の利用ニーズは引き続き上昇傾向が続いているのに対し、幼稚園の利用ニーズは減少傾向が続いています。ここで、もし幼稚園の預かり保育が全園で実施されていて、18時まで預かってもらえるとしたらどうなるでしょう?「それなら3歳になったら保育園じゃなくて幼稚園に行かせようかな」と思うご家庭も出てくるのではないかと思います。ところが、現在の幼稚園預かり保育は日本橋地域だと3園のうち1園(有馬幼稚園)だけで、時間は16:30まで。
保育園=子育て支援課(=厚労省)、幼稚園=教育委員会(=文科省)と縦割りの弊害でなかなか一体として動けないのですが、そもそもその縦割りの壁を取り払うための新制度のはずなので、待機児童対策は保育園任せではなく幼稚園も含めて総力戦であたってほしいですね。と今回の会議でもダメ押しで意見しておきました。
- やり残したこと2「訪問型病児保育に対する利用料補助の実施」
ドラマ「37.5℃の涙」でメジャーになりつつある訪問型病児保育サービス。区の提供する病児・病後児保育を補完する存在として、100%対応を保証しているなど保護者の強い味方です。が、利用料が高いため利用を躊躇しているご家庭も多いはず。そこで区が利用補助することによって、保護者の選択肢が広がる可能性があります。区が新たに事業をするわけではないから余計な設備投資も掛かりません。渋谷区、千代田区、足立区、墨田区、杉並区ではすでに利用補助制度があります。利用補助についてのフローレンスのサイトはこちら。
この2点については私は複数回意見をしたのですが、実現できずにここまで来てしまいました。どちらも担当部署が子育て支援課とは異なるというのが大きいと思います。会議で出た意見要望に対して、子ども子育て会議の事務局である子育て支援課は当事者意識を持って対応してくれるのですが、それ以外の部署はどうしても他人ごとというか、「検討します」「勉強します」で終わってしまうようでした。
最後に手応えも含めた感想を。
公募委員は「子育て当事者の代表」として会議に参加していることもあり、会議でも発言が重要視され、たくさん話す機会を与えてもらえました。おそらく全18人の委員の発言時間のうち、半分くらいの時間を3人の公募委員が発言させてもらえたのではないでしょうか。実際、公募委員の貢献でできたことがどこまであるかはわかりませんが、人口推計の見直しが必要と意見して実施されたり、第二子の産休のタイミングで待機期間がリセットされてしまう人の実例をあげた結果改善策が取り入れられたり、と一定の成果はあったように思います。
子ども・子育て会議がなければ子育て当事者の意見を区政に反映させる手段は、区議会を通してとか、「区長への手紙」とか、たまに募集されるパブコメとか、かなり遠くて細い道のりしかないと思われるので、この会議、そして公募委員の役割はとても大きいと思います。今後も会議は続いていき、子ども子育て事業計画も作って終わりではなく今後の状況に応じて適宜見直していくことになりますので、公募委員も含めて会議には期待したいと思います。
(日本橋パパの会 代表 鹿子木)